Encouragement

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ところで「許可灌頂」は「こかかんじょう」と読みまして
チベット語で「ジェーナン」
本尊の持つ功徳力を授かるもの、だそうです。
ふつうの灌頂はチベット語で「ワン」といいますから、
たぶん「ワン」より少し簡単なものではないかと理解しています。

通訳をしてくださったのは、高野山でも猊下の通訳のおひとりだった
清風学園校長の平岡宏一という先生です。
猊下のときより格段に分かりやすいと感じたのは
たぶん私が、あの頃よりは少し仏教用語を理解できるようになったからでしょう。

しかし密教の灌頂って、いったい何なのか?
灌頂というものの中で何が起こっているのか?
ある程度わかっておかないと、私はなんだか落ち着かない気分なので
今回はノートを取りながら流れを追ってみました。

こんな私は構造主義者かしら?(^^)

1) ラマ入堂
2) 魔の退散
3) 曼荼羅供養
LobsangDelek2.jpg4) 三宝への帰依と発菩提心
5) 法話
6) 本日の灌頂の由来
7) 灌頂
  7-1) 灌頂をお願いする
  7-2) 菩薩戒
  7-3) 観想
  7-4) 灌頂本体(身口意の加持)
  7-5) 真言の伝授
  7-6) 諸尊勧請と加持
  7-7) 守るべきことのお約束
8) 感謝の曼荼羅供養
9) 廻向

だいたいこんな形だったと思います。
(こんなの書いても興味持つ人はほとんどおられないと思いますが ^^;)

加持とは、英語で empowerment ですが
今回の灌頂を受けて、強く感じたのは、
empowerment = encouragement ということでした。

私には、自分自身を浄める力も功徳も全くないけれど、
さまざまな手続きを経て観音さまのお力を分けていただくことによって
私のような凡夫でも、ようやく仏さまの道を辿ることができるようになるw
よし、やっていこう☆
・・・という感じですかね(^^)

だから灌頂とか加持はとても大切じゃないかなと思いました。
それなしでは・・・道の途中で挫けてしまいそうです。

和尚ラジニーシが言っていました。
・・・私のそばに居る間は、お前たちは悟ったように感じるだろう。
だが四つ辻で別れてしまえば、お前たちは途方に暮れるだろう。
私が光だからだ。お前たちの心に光は灯っていないからだ。
自分の内に光を灯せ・・・!

(THE DHAMMAPADA: THE WAY OF THE BUDDHA, Series 1, Chapter 2)

そうです。
チベット密教は、仏の光を自分の心に灯すことができるように
灌頂や加持を、巧みな方便として考案してきたのではないかなと思いました。

灌頂は initiation ですが、何度受けてもよいので
「通過儀礼」と考えるとしっくりくるように思います。
いったん、今までの罪穢れを白紙に戻してリセットし、
これから守るべきことを新たに心に刻みこみ、
必要な力をいただきます。

take sannyas 出家する、とも違うし
baptism 洗礼、とも似て非なる感じがしますね。
まあ、こんなことに興味を持つ方も、ほとんどおられないでしょうけど(^_^;)


さて、清らかにリセットされた気分で(笑)
その後全員で、大仏殿の須弥壇に上げていただきました。
リンポチェもご一緒です。

巨大な毘盧遮那仏を間近に見上げながら
まずチベットのリンポチェ方がお経を上げられました。
誰言うともなく、みな自然にひざまづきました。
それから私たち日本の参列者たちは般若心経を唱えました。

須弥壇に上がるのは初めてでしたが、
大仏の大きさにあらためてびっくりしました。
台座だけでもすごいですし、後ろ姿もなかなか味わいがありましたよ~

最後に東大寺勧学院の素敵な院長さまにお礼を申し上げ
夕日の東大寺を後にしました。

凡てが、エンカレッジメントだったと感じます。
ロサン・デレ・リンポチェの灌頂そのものもですが、
新緑の奈良を歩けたことも
美しい仏像と宝冠を拝見できたことも
間近で毘盧遮那仏を拝したことも
また、美しいお庭も、
お手伝いのお坊さま方のお姿も。

菩薩の誓願は、今生限りのことではありません。
「菩提を得るまで(=覚りを開くまで)帰依します」と誓うのです。
当然、何生も何生もかかります。
その長~いスパンにわたるお約束。

それに対する empowerment であり encouragement でありました。

でも考えたら、いつもいただいていたのかもしれないな、とも思います。
私が気がついていなかっただけで。

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このページは、ayakoが2012年5月 2日 17:11に書いたブログ記事です。

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